二重埋没法の手術を受けたいけど、1点留めとか2点留めと3点留めとかたくさんメニューがあって、私にはどれがいいのかな?
留める数が多い方が持続しそうだな〜、なんて思っていませんか?
口コミやSNSを調べると、色んな声がありますよね。
『3点留めにしたのにすぐ取れちゃった… 』
『1点留めでも長く持続した!』
『1点留めなのにすごく腫れた… 』
など。
クリニックによっては5点留め、6点留めなどもあって、どれがよいのか迷ってしまいますよね。
ホームページで調べてみて、Aクリニックの1点留めとBクリニックの6点留めが同じ料金になっていたりすると、なんとなくBクリニックのほうがお得感があるようにも感じます。
でも、留める点が多いと、腫れが出てダウンタイムも長くなりそう…。
何点留めがいいのか分からないなぁ…
『私のまぶた厚いからたくさん留めないとダメそう… 』
こんなことを考えてる方も多いと思います。
実際のところは、どうなんでしょうか?
私のまぶたは何点留めがいいのか分かんな〜い!!
そんなお悩みに答えるために、「留める点が多いほうが取れにくいのか」「留める点が多いほうが腫れたりダウンタイムが長かったりしないのか」ということについて、美容外科医歴25年以上の真崎医院 真崎信行先生に話を聞いてきました!
それでは、いってきます!
これはクリニックによって独自の術式があり、内容が違ったりしますので、確かに分かりづらいかと思います。
迷われてる方のために、分かりやすくご説明しますね。
CONTENTS
「1点留め」「2点留め」「3点留め」「4点留め」の違い
二重埋没法には、クリニックによって「1点留め」「2点留め」「3点留め」「4点留め」のメニューがあったり、「使用する糸」や「術式」により料金が変わっていたりします。
美容外科は自由診療ですので、クリニックごとに自由にメニューを作ることができます。
しかし患者様からすると、クリニックごとに比較する際に表記が違うと、非常に分かりづらいと思います。
まず、質問の内容である糸を留める点についてお答えします。
二重埋没法で留める点の数は、厳密には片目に使用する糸の本数を指します。
二重埋没法は糸を輪っか(ループ)にします。
1本の糸を使う場合は、1点留めが原則です。
しかし、クリニックによって表記の内容が違っていることもありますので、注意が必要です。
よく見かける2種類の表記方法を解説していきましょう。
糸を留める数を表記しているケース
裁縫をイメージして頂くと分かりやすいと思うのですが、糸を固定する際には玉留めをしますよね。
実際に使用する糸は1本にも関わらず、この玉留めの個数を「○点留め」の個数として表記しているケースがあります。
本来の糸の本数でいうと1点留めなのですが、輪っか(ループ)の途中に玉留めを複数作る施術方法を用い、その玉留めの個数を「○点留め」の個数として表記しています。
この玉留めを複数作る施術方法は、「糸の途中に玉留めがあることでより強く組織をキャッチすることができる=二重の強度が増す」と案内されている場合が多いです。
皮膚に針を通す数を表記しているケース
玉留めではなく、皮膚に針を通す回数を「○点留め」の個数として表記しているケースもあります。
1本の糸を片目に通す際、針の入口と出口で2箇所針を通します。
厳密に言うと糸が1本なので1点留めですが、これを2点留めと表記しているのです。
2本の糸を使用する場合は本来は2点留めですが、針を通す回数の4回を「4点留め」と表記しているのです。
本来の糸の本数の倍の表記になっています。
このようにクリニックの表記の違いによって非常に分かりづらくなっているのですが、「〇点留め」とは厳密には片目に使用する糸の本数を指します。
まずはクリニックに、「何本の糸を使うのですか?」と聞いてみるのがよいかもしれません。
留める点の数によって持続性は変わるの?
2点留めだと聞いていても、実際は糸1本で1点留めみたいなクリニックもあるってことでしょうか?
自由診療なので、確かに「○点留め」という表記に関しては、きちんとした決まったルールがあるわけではありません。
クリニック独自の○○法は、医療用語ではない
クリニックによっては二重埋没法に○○法など別の名称が付けられている場合がありますが、その名称は医療用語ではなくクリニック独自のものです。
自由診療なので、クリニックによって自由に名称を付けることができてしまうのが現状です。
厳密には糸の本数になるのですが、勘違いしてしまったり混乱してしまったりする方も多いと思います。
無理に「留める点の数を多くしましょう」と料金の高いメニューを提案してくる場合は、一度他のクリニックの医師に相談してみるとよいと思います。
留める点が増えても、持続力が上がるという保証はない
「結び目の個数や針を通す回数が多い、糸の本数が多い=持続性が増す」ということではないのです。
数が多ければ強くなって持続しそうなイメージがありますが、実際のところは保証はされていません。
仮に何度もまぶたの組織に糸を通したとしても、糸がきちんと固定されているうちはしっかりしていそうなイメージですが、結局は1本の糸なので、どこかが切れてしまえば効果はなくなります。
そういった意味では、通常の輪っか(ループ)と条件は変わりません。
最も大切なのは、医師の技術力だと私は考えています。
そもそも、クリニックでメニューを分けて、さらに値段まで変えて、「より持続するほう」というものを設けること自体に私は疑問を感じます。
クリニックでその時にベストなものを提供するべきであると考えているからです。
留める点の数によって手術中の腫れやダウンタイムは変わる?
同じ施術方法であっても医師の技術力が伴っていなければ、腫れたり痛みが出る場合もありえます。
留める点の数では持続力は変わらないが、手術方法では変わる可能性がある
埋没法という手術方法だけでお話するのであれば、以前「二重埋没法の手術前に絶対知っておきたい! 瞼板法・挙筋法の違い!」の記事で詳しくお話していますが、私個人としては瞼板法のように常に糸が引っ張られている状態であると糸が組織に埋まりやすく、取れやすいと考えています。
目を閉じている時には糸が休むことができる挙筋法がベストかなと思います。
ただし、あくまでも糸の強さが強すぎず弱すぎず、丁度いいテンションで行われたものであることが前提になります。
また、患者様のまぶたの状態や扱い方、そして求める二重のデザインによっても腫れやダウンタイムは変わります。
1点留めができる人とできない人の違い
皮膚が厚ければ、元に戻ろうとする圧力も強くなります。
求める二重幅が広ければ広いほど、皮膚は厚みを増します。
元々のまぶたの状態、求める二重幅。
これらを総合して考え、まぶたが元に戻ろうとする圧力が低い場合は1点留めで施術を行います。
逆にまぶたに厚みがある方や、幅の広い二重を求める方には、糸を2本使用する2点留めをおすすめする場合もありますね。
留める点の数が多いと糸の結び目が見えてしまうリスクも上がる?
特に目をつぶった時とか…
糸の結び目は、強く結ぶと組織の奥にいきますし、弱いと表に出てきます。
強く深ければ良いというわけではなく、強すぎても別のトラブルを招きかねません。
糸の結び目は、強すぎず弱すぎずといった絶妙なバランスが必要になります。
糸の結び目が浮き出てしまっているという状態は、手術方法や留める点の数によって起こるのではなく、医師の技術だと思います。
つまり、糸を結ぶ力が弱すぎるか、もしくは埋め方に問題があると考えられます。
私の考えでは、留める点の数が増えたからといって、糸の結び目が見えてしまうリスクも上がるというものではないですね。
まとめ
- 「1点留め」「2点留め」「3点留め」「4点留め」など、クリニックによって表記の仕方が違っている場合があるので注意が必要
- 留める点が多ければ強度が高まったり持続力が上がったりする保証はどこにもない
- 皮膚が厚い方や幅の広い二重を希望の方は、2点留めが必要な場合もある(まぶたの状態による)
- 逆に皮膚が薄く方や幅の狭い二重を希望の方は、1点留めでも大丈夫(まぶたの状態による)
- 留める点の数が増えることで腫れなどのダウンタイムが長くなるわけではない
- 留める点の数が増えることで仕上がりに直接的な大きな影響はない
- 最も大切なのは医師の技術力