あなたは、「まぶたが重い」「眠たそうな印象を持たれる」などの症状にお悩みではありませんか?
それは眼瞼下垂が原因かもしれません。
近年若い方にも増えており、男性でも眼瞼下垂の手術を受ける方が増えてきています。
眼瞼下垂の症状で悩み、治療を受けたいと考えている方も大勢いると思われますが、治療中の痛みやダウンタイムがどのくらいかかるのか分からず躊躇されている方もいるのではないでしょうか?
「ブログで調べてみたけどいまいち分からなかった…」という方のために今回は、「切らない眼瞼下垂手術」の考案者である真崎医院の真崎院長にお話を聞きました!
ダウンタイムの対策や過ごし方について事前に知っておけば、実際の手術の後に落ち着いて対処することができるのではないでしょうか。
眼瞼下垂で起きる症状
黒目にまぶたがかぶさって視界が悪くなってしまい、眠そうに見えるのが眼瞼下垂の特徴です。
下の写真は、当院の眼瞼下垂の患者様の写真です。
眼瞼下垂は加齢によって引き起こされることが多いのですが、最近では若い方にも起こることがあります。
また、先天性眼瞼下垂といって、生まれつきそういう症状をかかえている方もいます。
眼瞼下垂はまぶたが下がるだけでなく、肩こりや頭痛の症状が現れることもあります。
眼瞼下垂手術のダウンタイムはどれくらい?
眼瞼下垂手術のダウンタイムは、どのくらいなんでしょうか?
眼瞼下垂の手術方法には、「切開法」と「切らない眼瞼下垂手術(埋没式挙筋短縮術)」があり、手術方法によってダウンタイムは異なります。
切開すればダウンタイムは長くなりますし、切らない眼瞼下垂ではダウンタイムは短くなります。
また、患者様のまぶたの状態や、医師の技術力によっても変わってきます。
それぞれの手術方法によるダウンタイムについて、詳しく説明していきますね。
切らない眼瞼下垂手術(埋没式挙筋短縮術)とは
切らない眼瞼下垂手術は、正式には埋没式挙筋短縮術と言います。
眼瞼下垂は、まぶたを上げる筋肉(眼瞼挙筋)が何らかの原因で弱まった状態です。
埋没式挙筋短縮術は、切らずに眼瞼挙筋(ミュラー筋と挙筋腱膜)を前転させ瞼板に糸で2箇所縫って固定させ、本来の正常な状態に戻す術式です。
今では多くの美容外科クリニックで切らない眼瞼下垂手術(埋没式挙筋短縮術)を行っていますが、この術式は私が2004年に日本で初めて医学書籍に執筆し、公表した術式です。
(真崎先生が日本で初めて切らない眼瞼下垂手術を公表した医学書籍)
切らない眼瞼下垂手術(埋没式挙筋短縮術)のダウンタイム
切らない眼瞼下垂手術(埋没式挙筋短縮術)は、切開法のようにまぶたをメスで切らないため、ダウンタイムが短くなります。
個人差はありますが、内出血などの大きな腫れは1週間〜2週間程度となり、組織(糸の埋まりやむくみ)が安定するまでには3ヶ月〜6ヶ月程度となります。
なお、皮膚・組織が腫れている状態であっても、まぶたが上がることでかぶさって隠れる為、イラストのように見た目の腫れは見えにくくなります。
私が手術した切らない眼瞼下垂手術の症例写真を見ていただければ、術直後でも腫れが目立っていないのが分かると思います。
切開法とは
切開法とは、その名の通り皮膚を切開して治療する眼瞼下垂の手術です。
大学病院のような総合病院に行けば、形成外科か眼科で受けることができます。
治療の必要がある眼瞼下垂だと診断されたら、切開法の手術の対象になります。
その場合、保険が使えるので患者さんが負担する治療費は1割〜3割で済みます。
切開法の手術方法は、大きく分けると3つあります。
腱膜固定術
切開法の中で、最も広く行われているのが、この腱膜固定術(挙筋前転術)です。
信州大学医学部の松尾清元教授(形成再建外科学講座)が考案された術式で、「松尾法」とか「信大式」とも呼ばれています。
腱膜固定術ではまぶたを切開し、ゆるくなった腱膜や瞼板との接続が切れてしまった腱膜を瞼板に再固定します。
この手術によって腱膜がしっかり瞼板に縫いとめられると、うまくまぶたが開くようになります。
挙筋短縮術
挙筋短縮術は、伸びてしまった眼瞼挙筋や挙筋腱膜を切って短くする手術法です。
短縮した筋を瞼板に縫い合わせることで、眼瞼下垂を解消します。
古くから行われてきた手術法ですが、交感神経と関わりがあるミュラー筋を傷つけてしまう可能性があるので、最近ではあまり行われていません。
腱膜固定術では良くなる見込みがない、重度の眼瞼下垂だけが対象になります。
筋膜移植法
この術式は、挙筋吊り上げ法とも呼ばれています。
筋膜というのは筋肉を包んでいる硬い膜で、筋膜移植法では、患者さんの他の部位から取った筋膜をまぶたに移植し、眉毛の筋肉とつなぎます。
こうして、眉毛を上げる力で目を開くようにし、眼瞼下垂を解消します。
筋膜移植法は、まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋の機能が残っていない場合や著しく弱い場合、腱膜固定術では良くなる見込みがない場合に採用される、先天性眼瞼下垂のお子さんが対象になることが多い手術法です。
切開法のダウンタイム
眼瞼下垂の治療に切開法を用いる場合は、個人差はありますが腫れや内出血が1〜2週間程度続き、抜糸後徐々に腫れと内出血が引いてきます。
1〜2ヶ月目は赤みや硬化があり、仕上がりまでは2〜3ヶ月かかります。
手術の傷跡は1ヵ月程度残ることが多いです。
また、術後5日〜1週間程度で抜糸となり、抜糸後にはメイクが可能です。
コンタクトレンズも抜糸後から着用可能です。
眼瞼下垂手術の痛みはどれくらいある?
また、切開法と切らない眼瞼下垂手術で変わってきます。
術中と術後に分けて説明していきますね。
施術中の痛みについて
施術中の痛みですが、手術前に局所麻酔をかけるため、切開法と切らない眼瞼下垂手術どちらも、術中の痛みはほとんどありません。
術中に痛みがあるようであれば、再度麻酔を追加して痛みを軽減させて進めていきます。
手術時間は医師によりますが、切らない眼瞼下垂手術の場合は片目20~30分程度、切開法では片目約30~40分程度となります。
施術後の痛みについて
施術後の痛みも個人差や医師の技術力による差はありますが、切らない眼瞼下垂手術ではまぶたに違和感はあるものの、ひどく痛むケースはほとんどありません。
切開法の場合は、術式によって若干は異なりますが、まぶたをメスで切りますので、麻酔が切れてきたら痛みが出てきます。
クリニックから痛み止めが処方されますので、それを服用してください。
痛みが取れない場合は、担当医にご相談ください。
眼瞼下垂手術後の経過状況
言葉ではなかなか伝わりづらいのですので、実際に当院で切らない眼瞼下垂の施術を受けられた方の目元の状態を、術前から術中、術後までの経過写真でご紹介します。
術前の写真
No.1 54歳 重度のコンタクトレンズ性眼瞼下垂の患者様
ハードコンタクトレンズを30年にわたって使用したことや加齢により、重度の眼瞼下垂になった患者様です。
No.2 48歳 中度のコンタクトレンズ性眼瞼下垂の患者様
ハードコンタクトレンズを長い間使い続けたことによって、眼瞼下垂になってしまった患者様です。
No.3 38歳 軽度の眼瞼下垂の患者様
軽度の眼瞼下垂の患者様です。
No.4 35歳 軽度の眼瞼下垂の患者様
軽度の眼瞼下垂の患者様です。
患者様より「目力をつけたい」というご希望があったことから、埋没式挙筋短縮術と合わせて、二重埋没法の手術も行いました。
術中の写真
術中の写真です。
矢印のある左側(右目)の治療が終わった状態です。
見て分かるように、腫れや内出血は少なく、隠れていた黒目をしっかりと確認することができます。
術前の目と比べると、目元がはっきりとしているのが分かります。
左目は施術する前の様子で、左右のバランスを見て、左右対称になるように施術していきます。
術直後・術後30分の写真
手術が終わった直後の写真です。
(No.2の患者様のみ術後30分の写真となります。)
腫れや内出血は少なく、目がしっかり開いているのが分かると思います。
No.1の重度の患者様は、まゆげの位置が下がって額のシワが消え、若い頃のような目に戻りました。
他の患者様もしっかり目が開いています。
個人差はもちろんありますが、手術の直後でも不自然な印象になることはありません。
術後2日から5日
術後2日から5日の写真です。
個人差はありますが、眼瞼下垂を治すだけでこのように若返って見えます。
目もとは、若々しさのいちばんのポイントです。
切らない眼瞼下垂手術は、まぶたを切開しないため痛みが少なく、傷跡が残らないことが特徴です。
ダウンタイムは短く、翌日にはメイクやコンタクトレンズの着用も可能です。
切開法では腫れや内出血が抜糸までの間の1週間程度続き、落ち着くまでに2週間程度の時間がかかってしまいますので、切らない眼瞼下垂手術は職場復帰を早めたい方や傷跡が残りやすい方などにおすすめできる術式です。
なお、医師の技術力によって、腫れ具合や仕上がり、持続力は変わりますので、ご注意ください。
- むくみ、腫れ、内出血が出る場合があります。
- 大きな腫れ(麻酔・内出血など)がひいてくるのに1週間〜2週間
- 組織(むくみ、糸の埋まり)が安定するまでには3ヶ月〜6ヶ月
- 先天性眼瞼下垂の場合は、効果がでない場合があります。
- 先天性眼瞼下垂の場合は、効果がでない場合があります。
ダウンタイム中でも仕事はできるの?
仕事の復帰のタイミングですが、これにも個人差があります。
切らない眼瞼下垂手術であれば、ダウンタイムの期間は短くなります。
また、先程の症例写真を見て分かるように、術直後でも腫れや内出血は少ないので、すぐに働くことができます。
しかし、周りの人に手術したのを気づかれたくないなどとお考えの方は、念のため1〜2週間程度お休みが取れるとよいと思います。
切開法の場合は、術直後はとても腫れますのですぐに働くのは難しいです。
2〜3週間程度で目立たなくなっていきますので、その頃にはほとんどのお仕事はできるようになると思います。
しかし、個人差や医師の技術によってダウンタイムの期間は異なります。
周りの目が気になる方は、余裕をもってスケジュールを立てることをおすすめします。
ダウンタイムを長引かせない過ごし方
「このまま腫れが引かないのではないか…」と不安に思ってしまう人も多く「失敗したのでは?」と感じてしまう人もいます。
ダウンタイムを長引かせないために、注意しておくべきことをご紹介します。
患部を冷やす
術後の目元は、炎症を起こしている状態です。
患部が熱を持った状態になりますので、氷などで目元を冷やすことも効果的です。
ただし、目元を冷やし過ぎてしまうと血流を悪くしてしまい、傷の治りを遅くしてしまいますので、タオルに包んで冷やし過ぎないように調節しながら処置するといいでしょう。
まぶたへの物理的な刺激を避ける
術後ダウンタイムが終わるまでは、まぶたを触ったりこすったりしないように心がけましょう。
術後すぐは炎症を起こしやすく、些細な刺激でも腫れや内出血を悪化させてしまう場合があります。
洗顔やシャワーの際には、目元をゴシゴシしないように注意しましょう。
アルコールを控える
お酒に含まれるアルコールは、血の巡りをよくする働きがあります。
術後すぐにアルコールを摂取すると、その働きによって内出血が悪化しまい、ダウンタイムが長引いてしまう場合があります。
医師の指示があるまでは、アルコールを控えましょう。
激しい運動を控える
治療後の一週間は体を温めて血流を良くし過ぎると、患部の腫れが悪化する場合がありますので、術後の1週間はウォーキングやジョギング、筋トレなどの運動を原則禁止としているクリニックが多いです。
運動の再開時期は医師の指示を仰ぎましょう。
腫れを目立たなくするための方法
ダウンタイム中に目元を隠したり、目立たなくしたりする方法をまとめてみました!
伊達メガネの使用
眼瞼下垂の術後すぐ仕事に復帰する場合に役立つアイテムのひとつが、伊達メガネや度入りのメガネです。
伊達メガネは普段眼鏡を使用していない人でも、印象を変える場合やファッションの一部として使用されるアイテムとして使用されており、周囲の注意をメガネにそらせることができます。
サングラス
仕事の休みを取っている場合でも、外出する機会や人に合う機会があるかと思います。
特に切開法で眼瞼下垂の治療を受けた場合は、術後の2〜3週間は腫れや内出血の症状がみられます。
腫れや内出血がある場合は、サングラスを使用することで、気兼ねなく外出したり誰かに会うことができます。
ダウンタイムが落ち着くまでのアイテムとして有効です。
つばの大きな帽子
つばの大きな帽子は、相手の視線を帽子に向けることができ、注意をそらせることができます。
切らない眼瞼下垂手術の術後すぐの腫れや、切開法の術後2〜3週間頃の腫れが引き始めた頃の、周囲の視線を目元からそらす方法として有効です。
メイク
メイクは、内出血や傷跡を目立たなくする方法として有効です。
切らない眼瞼下垂手術であれば、翌日からメイクをすることができますので、まぶたの赤みが気になる場合にはメイクでカバーしましょう。
切開法の場合、メイクができるのは抜糸後の術後5日〜1週間程度以降となります。
切開法による傷跡は2~3ヶ月程度は赤みが気になる場合がありますので、メイクでカバーしましょう。
3ヶ月目以降も腫れや赤みが気になる場合には、医師に相談しましょう。
まとめ
- 眼瞼下垂のダウンタイムは術式や医師の技術によって異なる
- 切らない眼瞼下垂のダウンタイム(大きな腫れ・内出血)は1週間程度
- 切開法のダウンタイムは1〜2ヶ月目は赤みや硬化があり、2〜3ヶ月で仕上がり
- 切開法でも切らない眼瞼下垂手術でも、局所麻酔後であれば術中に痛みはほとんどない
- ダウンタイムを長引かせないためには、患部を冷やすのが効果的