美容外科(美容整形)手術をしたいけれど、失敗するのが怖い、周りに手術したことがバレてしまうのではないか・・
こんな不安な思いを持ってクリニックに行く方は多いのではないでしょうか?
また、上手な医師、いわゆる名医を探すためにインターネットやSNSで検索してみたけれど、
『情報が多すぎてよく分からない・・』
『掲載情報が嘘っぽい・・』
『本当に信用できるのか分からない・・』
こうして結局踏み出せずに時間だけが経過しているという方も多くおられるようです。
情報が多すぎて、どれを信じればいいか分からないな・・
また「施術の金額が安い」から手軽に受けられる、「テレビ・雑誌によく出ている」「SNSを見たらこのクリニックでやっている人が多い」から安心、などの理由だけで判断していませんか?
今回は、200人以上の美容外科医に直接取材し、2000人以上の相談者にメール・電話で、会ってアドバイスしてきた、医療ジャーナリストの、大竹 奉一さんにお話をお伺いしました。
大竹さんは、TV番組「クローズアップ現代(NHK)」「ノンンストップ!(フジテレビ)」「ホンマでっか!?TV(フジテレビ) 」の出演をはじめ、「美容外科の最新事情」「美容格差時代」など多くの本を出版されています。
NHKTV『クローズアップ現代』、出演後のスタッフとの記念撮影
ぜひ最後まで読んでみてください!
CONTENTS
美容外科(美容整形)の失敗には三種類ある
手術を受けたけど失敗してしまった・・という方の失敗の原因を教えてください!
「医師の技術力が乏しい事で引き起こる技術的失敗」
「イメージしていた結果と違う失敗」
「家族・友人などが満足しないという失敗」
の三種類の失敗があります。
医師の技術が乏しい事で引き起こる技術的失敗
一つは、技術的失敗です。
この失敗は、その医師の経歴などを見て、美容外科治療(美容整形)をするにふさわしい研修を受けているかどうかを確認すれば防げます。
形成外科の研修を受けていることがベストですが、少なくとも外科系の研修を受けていることが必要です。
また麻酔科医の中にも、多くの手術に立ち会い、ご自分も外科の研修をして優れた医療実績を出している医師もいます。
詳しく教えてください!
身近なもので言うと、切り傷やアザ、やけど跡などの治療も形成外科の対象です。
例えば、交通事故で顔などが傷つけられた患者さん表面の傷をキレイに修復したりもします。
形成外科は、わかり易く言えば、「皮膚外科」で、メスやレーザーなどで皮膚を治療します。
一般的な「皮膚科」は、「皮膚内科」で、内服薬と塗り薬で治療します。
その技術が発展して美容外科がうまれました。
美容外科は形成外科の一部と考えられています。
日本には第二次大戦後、形成外科と美容外科がほとんどいっしょにアメリカから入ってきましたので、直接美容外科をする医師もいますし、大学で形成外科に入りその中で美容外科を研修する医師もいます。
麻酔科医から美容外科医になる人が多いのはなぜなんでしょうか?
また乳腺外科(にゅうせんげか)で乳がんなどの治療していた医師が、乳房再建(にゅうぼうさいけん)などのキレイな手術を見て、形成外科・美容外科こそ、自分の行く道だと確信し、美容外科の研修を受けて美容外科医になる医師もいます。
イメージしていた結果と違う失敗
二つ目は、患者が結果を見て、「私がイメージしていた結果と違う」と感じる失敗です。
丁寧なカウンセリングでほぼ解決しますが、患者さんと医師との相性が関係します。
患者さんは、手術を受ける前に、十分に自分の希望を確認し、自分と相性の合う医師を選ぶことが大切です。
家族・友人などが満足しないという失敗
三つめは、医師も患者も成功したと感じていても、家族・友人などがそれに満足しないという失敗です。
最近よく行われるようになってきた、「目頭切開」でそんな事例が多くなってきました。
目頭切開は、これまでの二重まぶたが上下に目を大きくするのに対し、左右を大きくして、目力をアップしようという治療ですが、非常に目が大きくなるので、顔の相が変わって家族などから「こんな目はうちの血筋にはない」と、白い目で見られる例が増え、修正がかなり難しく、困っている人が増えています。
美容外科(美容整形)手術は、家族にも友人にも言わずコッソリ受けることが日本では多いのですが、できれば家族や友人と相談し、できるだけオープンに受けることが、失敗をなくすための条件の一つです。
名医ってどんな医師?
大竹さんの考える名医ってどんな医師でしょうか?
人格的にも信用できる人が名医と私は考えています。
ただ、信用できるかというのは話してみないと分からないかもしれませんね・・
カウンセリングへ行ってみて、医師とのフィーリングが合うことが何より大切です。
そして患者さんの好みをカウンセリングの中で医師が、的確に把握して手術を進めてくれることが最大のポイントです。
自分とフィーリングの合う医師こそ、『自分の名医』です。
まずは『自分の名医』を探すことです。
そして実際に実現するための技術があるかどうかというのが次の課題になります。
名医の選び方のポイント
医師選びで成功・失敗の90%が決まる!
自然の人間の体は脂肪や筋肉の層がきれいに並んでいます。
初めての手術では、それぞれの層は、無理にメスやハサミで切らなくても簡単にはがすことができます。
そのため、手術は出血や痛みが少なく、治療時間も、治癒までにかかる時間(ダウンタイム)も比較的短いです。
しかし、最初の手術で気に入らなかったり失敗したりしたもの、直す修正手術になると、1度目の手術によってそこに元々あった脂肪や皮下組織が線維化し、癒着・引きつれ・変性してメスやハサミできれいにはがすのは難しくなっています。
初めの治療より技術的に難しくなり、出血や痛みが多くなり、治療時間もダウンタイムも長くなります。
どんな名医でも修正できないこともあります。
また、初めの手術の費用とは別に、さらに修正するための手術の費用がかかります。
どんなに訴えても理屈で跳ね返されてしまうことがほとんどです。
そのため、美容外科(美容整形)では、十分な研修を受け、豊富な経験を持ち、カウンセリングからアフターフォローまで丁寧に時間をかけて対応する医師を選ぶのが何より大切です。
3〜5人の医師にカウンセリングを受けよう!
でも、先ほどから述べている通り、最初の手術が肝心なのです。
私のホームページの『美容外科名医101人』の「相談コーナー」へは、90%以上は、失敗してから来られます。
修正できない失敗もあります。
この方々が、最初の手術を受ける前に相談してくれていたらと思わずにはいられません。
自宅から近いから、安いから、広告でよく見るから、芸能人もやっているから、という安易な条件で医師や医院を選ばず、慎重に検討して最初の施術を受けてほしいのです。
そのためには、次に項から紹介する条件で受けたい医師をピックアップして少なくとも3人から5人以上のあなただけの医師のリストをつくり、その医師のカウンセリングを直接受けて、どこで施術を受けるか決めてください。
机の前に座って、女性誌の広告ページだけで決めたり、インターネットで安直に、名医を探そうとしてはダメ。
自分の足で歩いて、3人から5人くらいの、複数の医師にカウンセリングを受け、自分の、目で耳で肌で感じて、医師を選ぶことが何より大切です。
医院の形態から選ぶ
美容外科(美容整形)医院には、経営形態から、5つに分けられます。
院長が治療を行うため、目や鼻、脂肪注入など、医師の得意分野に特化している医院も多くあります。
院長がマネジメントして複数の医師が勤務していたり、優れた医師4、5人がグループをつくって複数の医院を運営しているなどの形態があります。
個人クリニックよりもさまざまな分野を広範に治療できるのが特徴です。
元々、「内科」「皮膚科」「産婦人科」などをしている個人クリニックで、これまでの専門の診療科に「美容外科(美容整形)」を「ついでに」付け加えて、美容外科(美容整形)治療をしている個人医院です。
きちんとした知識もなく研修も受けずにある日突然治療を開始するのですから、非常に危険です。
年間数十億の広告費で患者を集め、広告塔の院長や医師は一日に30件もの手術をしています。
さらに、全国で何十もの医院をチェーン展開しているので慢性的な医師不足です。
内科医に一週間ほどの研修を受けさせ、いきなり施術させるようなことを平気でやっています。
また、大学の研修医を「大学の先生」と言う名前で施術させる場合もあります。
どの医師が施術するのか自分で確認して納得してから受けましょう。
技術と経験のある医師がいたとしても、「教育」のために経験のない若い医師に執刀させることもあります。
とはいえ、医療で金儲けすることだけを目的としている「大手美容外科医院」や「ついでにクリニック」とは比べ物にならないほど、安全で良い手術が受けることができます。
医師の資格から選ぶ
美容外科(美容整形)医の肩書でもっとも目立つのは、「日本美容外科学専門医」です。
しかし日本には、まったく組織の異なる同名の二つの「日本美容外科学会」があり、「日本美容外科学専門医」と言う資格も二つあり、選考基準・選考試験などがまったく異なります。
一方は、大学で形成外科を研修した学会、専門医で、もう一方は、医師免許さえあれば、どんな科の医師でも入れる学会、専門医です。
形成外科出身の医師による学会の方が技術レベルが高いと言われますが、もう一方の学会の医師でも、技術的なことを考えると、外科系、麻酔科の医師を選ぶのが順当です。
自分とのセンスの合う医師を選ぶ
医院の形態、技術力だけでなく、自分のデザイン感覚やセンスに合った医師、そして自分と相性の合う医師を選ぶことも大切です。
むしろ、高齢化社会では、『美の主治医』を持つことが、若々しく生きるためには必須の条件になってきますから、自分とのセンス・相性の合う医師を選ぶことが、最も大切な選択基準になってきます。
たとえば、二重まぶたの手術では、くっきりとした西洋人のような二重が得意な医師もいれば、アジア人特有の蒙古ヒダを活かしたさりげない二重が得意な医師もいます。
フェイスリフトで顔のたるみを引き締める手術では、一回の手術で10歳若返らせることも可能です。
でも、なかには「一気にそんなに変わったら周囲に不審がられる。気がついたら若くなっていたという感じにしてほしい」という人もいます。
自分の希望を十分理解して、自分にとってセンスのいい治療をしてくれる医師を見つけることは、非常に大切です。
その努力を怠ると、手術は成功したものの、「思っていた手術結果と違う」ということにもなります。
センスや相性を見極めるためには、複数の医師に直接カウンセリングを受けることが不可欠です。
その医者のデザイン感覚やセンス、自分との相性を自分で確認し、納得し、自分の責任でどの医師に手術を依頼するか決める必要があります。
カウンセリングでの注意点
ひとつづつ詳しくお話しします。
「カウンセラー」でなく、手術をする医師のカウンセリングを受ける
医師が直接カウンセリングする場合、1回5000円程度が一般的です。丁寧にカウンセリングをすれば、30分くらいはかかります。
無料の場合は逆に要注意です。
丁寧にカウンセリングしてくれなかったり、「30分も無料カウンセリングをしたのだから、治療受けてよ」と、必要以上に手術をすすめられたりすることもあります。
大手美容外科医院などで「専門カウンセラー」がカウンセリングするという医院は問題外です。
カウンセラーは、多くの医院で受付の女性などが行い、歩合制になっています。
すぐ手術を受けさせたら○万円、手術の予約を取れば◯万円、患者が希望していた以外の手術を受けさせれば◯万円・・。
「美容外科(美容整形)専門カウンセラー」などという資格は、公的にも民間にもありません。
医師ではなく看護士がカウンセリングする医院も、同様に避けましょう。
確認できない場合は、その美容外科(美容整形)医院は、候補から外します。
手術当日、カウンセリングのときとは違う、顔も見たこともない医師が出てきて、書類を見て「え~と、あなたは目頭切開でしたね」と言って、注射器やメスを握ったらあなたは、「話が違います」と抗議して、すぐ逃げ出せますか?
ウソのような話ですが、そんな話はいくらでもあります。
気の弱い人は、そのまま手術を受けてしまいます。
もちろんあなたは、大立ち回り、大喧嘩をしてでも逃げ出さねばなりませんが、手術室の中に入ってから、逃げ出すのは大変な勇気が必要です。
そんなことのないように、カウンセリングをするのが、実際に手術を担当する医師かどうか、電話で予約する段階で確認するのはとても大切です。
希望手術以外の手術をしつこく勧める医師は避ける
「二重まぶた」の手術を受けようとカウンセリングに行ったのに、「鼻も高くすれば、もっと二重まぶたが生きてくるよ」などと、相談以外の手術をしつこくすすめる医師は候補から外しましょう。
人間の顔は、美人かどうかに関わりなく、自然にそれなりのバランスを保っています。美容外科(美容整形)手術をすることは、多少なりとそのバランスを崩すことになります。
バランスをとるために、鼻の付け根ももう少し高くした方が良い、唇もふっくらさせた方がよい、と医師がすすめるのは自然かもしれません。
しかし、言われるがまま何度か繰り返してしまうと、今度は患者さん自身が次は鼻を、次は唇を、次はあごを、次はエラを・・・
このように、手術を繰り返さずにはいられない悪循環の輪の中に入ることがしばしばあります。
顔そのものが変わってしまっても構わない、むしろ変わる事を望むようになってしまう場合もあります。
整形に依存してしまうのです。
患者が希望しない部分の手術をしつこくすすめる医師は、十分に注意が必要です。
「すぐ治療を」「すぐ予約を」と、迫る医院・医師では受けない!
誠実な医師は、患者が納得するまで説明して、「家に帰って、ご家族とも相談して、気持ちが変わらないなら一週間後にもう一度いらっしゃい」などと言います。
患者の質問に納得するまで答えていないのに、打ち切って手術の日を早く決めようとする医者は候補から外しましょう。
「今日時間があるから手術しようか」「明日時間が空いてるからしてあげようか」などという医者も問題外です。
医師に遠慮しない!
気に入らないからといって洋服のように返品交換できるものではありません。
成功するか失敗するかによって、あなたの人生が変わります。
医者に遠慮して、十分にカウンセリングを受けずに自分の思うような結果が出なかったら、一生後悔しますよ。
失敗しても、患者の希望通りの結果が出なくても、多くの美容外科医は手術料をしっかりとります。
一方失敗されてしまった患者は、たとえ訴訟で勝ったとしても、失敗の手術の治療費プラス慰謝料が戻るだけ。
顔や体は元に戻らないことも多く、失敗したことの精神的ショックは非常に大きいのです。
医師に失礼にならないようにするのは大切ですが、気を使い過ぎて大切なことを聞かなかったり、何度もカウンセリングを受けているからと義理立てして手術を受けたりすると取り返しのつかないことになります。
ある美容外科(美容整形)の名医は、カウンセリングについて次のように話してくれました。
『何度もこられてなかなか決めてくれないのは、実は私達にとってつらいことです。
これだけ説明したのだからもう決めてくれてもいいのにと思うこともしばしばあります。
でも患者さんの心構えとしては、自分が納得するまで何度でもカウンセリングを受けられた方が良いと思います。』
医師にとっても、術後にいろいろ言われたり、訴訟沙汰になったりするよりも、患者さんが満足していただくことがいちばんうれしいことなのですから』と。
気の弱い人は、誰かに付き添ってもらいましょう!
「自分が納得できるまでカウンセリングを受けなければ」と強い決心をしても、気の弱い人はその場の雰囲気に負けてしまって、一件目の医院で予約をしてしまったり、希望した部位以外の手術も予約してしまったりするかもしれません。
病院に入ればそこは医者の世界です。
言ってみれば相手の土俵です。そこで多くの医師や看護師などに取り巻かれていろいろなことを言われると、もう「面倒だな、これでいっか」と考えてしまっても不思議はありません。
気の弱い人、人の意見に流されやすい人は、1人でカウンセリングを受けるのでなく、信頼でできる誰かについて行ってもらうことをおすすめします。
SNSや掲示板、口コミ・ブログは信用ができない?
アフィリエイト広告・ランキングサイトには注意が必要!
私も「美容外科名医101人」というサイトをつくっていて、私のできる範囲でまじめで正確な情報をお伝えしているつもりですが、私のサイトだけを見て、「この美容外科(美容整形)医がよさそうだ」と一人の医師に決めて、最初からその医師に治療を受けるつもりで行くと失敗すると思います。
文字や画像だけでは伝えられない情報はたくさんあります。
やはり面倒でも、直接、医師のカウンセリングを受けに行って、医師の人柄、医院の様子、スタッフの対応などを、目で耳で肌で感じて、信頼できる医師、自分と相性の良い医師を探さなければ、『自分の名医』は見つけられません。
インターネットの情報は、その一つのきっかけ程度に考えるのが、正しい使い方、利用法だと思います。
「相談サービス」での紹介先は危険?
まじめに、取り組んでいるサイトもありますが、多くの相談サービスでは、相談があると、契約している医院や医師を口を極めてほめたたえます。
相談者がその医院で受けると、多額の紹介料が入る。そういうビジネスです。
相談サービスも、ネットの情報と同じように、それを一つのきっかけとして、実際にカウンセリングを受けて、自分の目で耳で肌で感じて決めるのが正しい使い方です。
「ちょっとおかしい」と感じた時には、すぐ撤退するのがよいでしょう。
まとめ
- 美容外科(美容整形)の失敗は、3種類ある。
- 『自分の名医』を見つけることが、失敗しない秘訣。
- 最初によい医師にかかることが肝心
- 広告ページや、ネットから選ぶだけで決めてはいけない。
- 自分の足で歩いて、3人から5人の医師のカウンセリングを直接受ける。
- 医院の形態、医師の資格を確認し、自分に相性の良い医師を選ぶ。
- カウンセリングは、手術をする医師から直接受ける。
- 希望手術以外の手術をしつこく勧める医師はパス。
- 「すぐ治療を」「すぐ予約を」と、迫る医院・医師では受けない。
- 複数の医師にカウンセリングを受けるとき、医師に遠慮しない。
- 気の弱い人は、家族・知人に付き添ってもらって。
- ネット情報、「美容外科(美容整形)相談サービス」は参考に。名医は自分の足で探す覚悟。
監修
大竹 奉一さん
医療ジャーナリスト